ギターのネック①

わたしにとってネックはギター製作作業の中で一、二番目を争うくらい神経と労力を使う箇所です。
まさにネックですね。
材料はシダー材を主に使います。といっても表面板に使うシダーとは種類が違いますし、国産の杉とも違います。
ギター製作に使う材は外国産の木材が多く、翻訳途中で誤解を生むような表記になってそのまま定着してしまったものが多いようです。
表面板のほうはレッドシダーというヒノキの仲間です。
マホガニーは密度が程よいものはとても良いですが、わたしの設計だと少し重量オーバーなものが多いので使用頻度は少ないです。
シダーでも密度、柔らかさにばらつきがありますので、薄めのネックを希望された際は補強材を埋め込むこともあります。
補強材は欲しい重量によってカーボンや黒檀などを使います。
ネックのヘッドには横裏板と同じ材の薄板(ヘッドフェイス)を貼ることが多いです。自分の好みではありませんが、装飾のためツキ板をはさんで接着する事もあります。

肝心のサイズですが、目安として0フレットと12フレットでのネック幅、0フレットと9フレットでのネック厚さで表示します。
一般的に幅は0フレットで52mm、12フレットで62mmほど、厚さは0フレットで21~23mm、9フレットで22~25mmほどです。
ここはプレイヤーの好みでかなり変化させます。そのサイズはプレイヤーの手の大きさ、演奏スタイルでかなり変わってきます。
ネックの断面形状も平たいものが好きな方と丸みをもったものが好きな方と分かれるようです。
打ち合わせや製作途中に試奏してもらって決めることもあります。